2008年08月11日

ロシア軍、グルジア空爆を続行 停戦提案応じず

ロシア軍、グルジア空爆を続行 停戦提案応じず
 【モスクワ=古川英治】南オセチア自治州をめぐる武力衝突でロシア軍はグルジアからの停戦交渉の要請に応じず、11日早朝もグルジアの首都トビリシ近郊を爆撃したもようだ。軍事行動の停止を宣言したグルジアに対し、ロシアはサーカシビリ・グルジア大統領の辞任を停戦交渉の条件とする意向を示唆。戦闘終結の行方はなお不透明だ。フランスが調停に乗り出すなど、事態収拾へ向けた国際社会の動きも活発化している。
 グルジア内務省によると、ロシア軍は10日夜、グルジアが停戦交渉を公式に要請した後もトビリシの空軍施設と国際空港の付近を爆撃した。ロシア側は否定しているが、ロイター通信は空港の滑走路の近くから煙が上がっていると報じている。さらに同省は11日早朝にトビリシに近い軍事施設が爆撃を受けたと発表した。
 ロシア国防省の広報官は、グルジア沖に派遣した黒海艦隊が10日、グルジアのミサイル艇に攻撃を加え、一隻を撃沈したことを明らかにした。グルジアの攻撃を受け、応射したとしている。グルジアはこの情報を確認していない。


 グルジア軍は以前から独立を求めていた南オセチア自治州に侵攻、州都ツヒンワリの制圧を目指していましたが、ロシア軍が軍事介入しており戦況はグルジア側に不利になってきました。ロシア軍は第58軍の一部をグルジア領内へ侵入させグルジアの首都トビリシ近郊など重要地域へ空爆を開始、対するグルジア軍は総動員体制をとっており、予備役の収集、イラク派遣の軍も戦線に投入するという戦争状態となっています。数ヶ月前にグルジア軍の無人偵察機がMiG-29に打ち落とされる事件があり、緊張が高まっていましたが、懸念が当たってしまった格好です。

 グルジアのサーカシビリ大統領は欧米の支援を見込んで世界の注目を浴びるであろうオリンピックの開会式に軍事侵攻し、ロシアの非道を広げようという意図があったと言われていますが、欧米からは支持のみでNATO軍など支援を受けることが出来ず、完全に当てが外れてしまいました。ロシア軍は黒海艦隊まで動かし支援の封鎖を行ってきています。アメリカ、ドイツを初めとする欧米諸国やグルジアが停戦要求を行ってもメドヴェージェフ大統領、プーチン首相の”双頭の龍”は聞く耳を持ちません。ロシア軍のノゴビツィン参謀次長は「グルジアと戦争しているのではなく、国連の委任の枠内で紛争地域の平和維持を果たしている」とまで言う始末で、恐らくグルジア側を徹底的に叩くまでは戦争は終わらないかもしれません。

 ロシアの望む着地点はどこか、ロシアはチェチェン問題を抱えていることもあり南オセチアの独立を承認していません。チェチェン問題ではロシアは立場が逆転することになるため、ロシアのスタンスに矛盾が生じてしまいます。とするならば南オセチアからグルジアの影響力を排除することが主眼に置かれることは間違いないでしょう。これに乗じてアプハジア独立派まで動き出している始末です。しかし、そのためのロシア軍の行動がグルジア首都トビリシ攻略にまで手が伸びるようなことになれば、さすがに欧米が黙ったままでいる訳にはいかなくなります。そうなればこの戦争は最悪の状態になるのは確実であり、それはロシアもわかっているはずです。

【参考】
グルジア・ロシア紛争Q&A(草稿)・・・軍事板常見問題
北カフカーズ軍管区・・・wikipedia
グルジア軍・・・wikipedia
南オセチア「戦争」・・・タテ・ヨコ・ナナメの世界と日本
グルジアとロシアが全面戦闘状態に突入・・・週刊オブイェクト
posted by やくも at 17:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際・外交
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