2008年08月11日

ロシア軍、グルジア空爆を続行 停戦提案応じず

ロシア軍、グルジア空爆を続行 停戦提案応じず
 【モスクワ=古川英治】南オセチア自治州をめぐる武力衝突でロシア軍はグルジアからの停戦交渉の要請に応じず、11日早朝もグルジアの首都トビリシ近郊を爆撃したもようだ。軍事行動の停止を宣言したグルジアに対し、ロシアはサーカシビリ・グルジア大統領の辞任を停戦交渉の条件とする意向を示唆。戦闘終結の行方はなお不透明だ。フランスが調停に乗り出すなど、事態収拾へ向けた国際社会の動きも活発化している。
 グルジア内務省によると、ロシア軍は10日夜、グルジアが停戦交渉を公式に要請した後もトビリシの空軍施設と国際空港の付近を爆撃した。ロシア側は否定しているが、ロイター通信は空港の滑走路の近くから煙が上がっていると報じている。さらに同省は11日早朝にトビリシに近い軍事施設が爆撃を受けたと発表した。
 ロシア国防省の広報官は、グルジア沖に派遣した黒海艦隊が10日、グルジアのミサイル艇に攻撃を加え、一隻を撃沈したことを明らかにした。グルジアの攻撃を受け、応射したとしている。グルジアはこの情報を確認していない。


 グルジア軍は以前から独立を求めていた南オセチア自治州に侵攻、州都ツヒンワリの制圧を目指していましたが、ロシア軍が軍事介入しており戦況はグルジア側に不利になってきました。ロシア軍は第58軍の一部をグルジア領内へ侵入させグルジアの首都トビリシ近郊など重要地域へ空爆を開始、対するグルジア軍は総動員体制をとっており、予備役の収集、イラク派遣の軍も戦線に投入するという戦争状態となっています。数ヶ月前にグルジア軍の無人偵察機がMiG-29に打ち落とされる事件があり、緊張が高まっていましたが、懸念が当たってしまった格好です。

 グルジアのサーカシビリ大統領は欧米の支援を見込んで世界の注目を浴びるであろうオリンピックの開会式に軍事侵攻し、ロシアの非道を広げようという意図があったと言われていますが、欧米からは支持のみでNATO軍など支援を受けることが出来ず、完全に当てが外れてしまいました。ロシア軍は黒海艦隊まで動かし支援の封鎖を行ってきています。アメリカ、ドイツを初めとする欧米諸国やグルジアが停戦要求を行ってもメドヴェージェフ大統領、プーチン首相の”双頭の龍”は聞く耳を持ちません。ロシア軍のノゴビツィン参謀次長は「グルジアと戦争しているのではなく、国連の委任の枠内で紛争地域の平和維持を果たしている」とまで言う始末で、恐らくグルジア側を徹底的に叩くまでは戦争は終わらないかもしれません。

 ロシアの望む着地点はどこか、ロシアはチェチェン問題を抱えていることもあり南オセチアの独立を承認していません。チェチェン問題ではロシアは立場が逆転することになるため、ロシアのスタンスに矛盾が生じてしまいます。とするならば南オセチアからグルジアの影響力を排除することが主眼に置かれることは間違いないでしょう。これに乗じてアプハジア独立派まで動き出している始末です。しかし、そのためのロシア軍の行動がグルジア首都トビリシ攻略にまで手が伸びるようなことになれば、さすがに欧米が黙ったままでいる訳にはいかなくなります。そうなればこの戦争は最悪の状態になるのは確実であり、それはロシアもわかっているはずです。

【参考】
グルジア・ロシア紛争Q&A(草稿)・・・軍事板常見問題
北カフカーズ軍管区・・・wikipedia
グルジア軍・・・wikipedia
南オセチア「戦争」・・・タテ・ヨコ・ナナメの世界と日本
グルジアとロシアが全面戦闘状態に突入・・・週刊オブイェクト
posted by やくも at 17:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際・外交

2008年05月10日

パンダ有償貸与「疑問は少数派」 福田首相が中国のテレビに

パンダ有償貸与「疑問は少数派」 福田首相が中国のテレビに
 福田康夫首相は9日、官邸で中国の中国中央テレビのインタビューを受け、雄雌のパンダ2頭の有償貸与に疑問の声があることに関し「メディアの一部でいろんなことを言う人がいるが、これはごくごく少数派。ほとんどはかわいいパンダを見たいと思っており、手放しで喜んでいる」と強調した。
 北京五輪について「中国の人が中国の応援ばかりし、相手国を批判したりブーイングすれば反感を持たれるが、今回はそういうことはないと思う」と指摘した。

 インタビューは中国側の記者であることや、フランスのように遠くから石を投げつけることが出来るわけではなく、中国の大暴走を隣国として甚大なる影響を受ける我が国の事情を踏まえて考えても、この発言は無いだろ〜というのがほとんどの意見のようにも思えるのですがね。

 現在の中国に対する印象として圧倒的なる影響をもたらしているチベット問題からギョーザ問題、何の進展も無かったガス油田問題、北京オリンピックから導火している中国国内からの排他的ナショナリズムから中国に好感を抱く日本人というのはお世辞にも多いとは言えないのが実情ではないでしょうか。逆に好感を抱く要素のほうがすぐに浮かばないというのが哀愁漂うところです。

 天皇陛下まで迎えた今回の胡錦涛国家主席の訪日の成果はパンダだけかい!と揶揄されても反論は難しいところではないかと。安倍前首相から始まった「戦略的互恵関係」というのは価値観で共有できるものからお互い協力していきましょうという戦略だったと認識しておりましたが、やはり民主主義国家と共産主義国家では経済関係以外ではなかなか共有できる価値観を創造するのは難しいようですね。

 胡錦涛国家主席の訪日目的を考えると、現在の中国に向けられた世界の眼と、日本訪問に天皇陛下まで絡めようとするその姿はまさに天安門事件後の中国の姿が思い出されます。そう言う意味では中国側にメリットあれど、日本側にあまりメリットが見出せなかったのではないでしょうか。我が国の首相のこうした連日の発言などから国内でのよからぬナショナリズムの昂揚が無ければよいのですけどね。
posted by やくも at 16:17 | Comment(5) | TrackBack(0) | 国際・外交

2008年05月08日

ロシア、メドベージェフ氏が大統領に就任

ロシア、メドベージェフ氏が大統領に就任
 【モスクワ=古川英治】ロシアのメドベージェフ第一副首相(42)が7日、クレムリンで宣誓し、新大統領に就任した。ロシアの大統領交代は8年ぶりで、エリツィン、プーチン両氏に続く3代目。任期は4年。新大統領は同日、プーチン前大統領(55)を首相候補に指名、下院が8日に承認する予定だ。プーチン氏は新体制でも強い権力を維持することになる。
 メドベージェフ新大統領は宣誓後の演説で「国の繁栄と国民の安全確保のために全力を尽くす」と表明した。「今後もプーチン氏の支持に期待している」とも語り、国民の人気の高い前大統領と協力して政権を運営する考えを示した。
 プーチン氏は7日、政権与党・統一ロシアの党首にも就任した。首相承認を前にプーチン氏は組閣に入っており、新閣僚の顔ぶれに注目が集まっている。(07日 22:09)


 旧ソ連、ロシア通じて最年少の国家元首らしいですが、政治基盤が弱いメドベージェフ大統領を支える役目としてプーチン元大統領が首相に就任する流れとなります。政治的には”双頭の龍”という形の体制が誕生しそうな勢いでありますが、さてこうした政治体制が成功を収めるものでしょうか。

 メドベージェフ大統領は早々とプーチン路線の継承を宣言しています。通常であれば強い権限を持つ大統領に対して政治基盤の強いプーチン新首相が時間をかけて徐々に権力譲渡を行っていくやり方が考えられますが、やはり世界の目はそのようには写らないと思いますし、プーチン新首相自身もそうしないでしょう。

 大統領権限を持つメドベージェフ大統領の路線は完全にプーチン政権と重なるとも思えませんし、そうでなければ世界の視線は”ロシアのメドベージェフ”ではなく”ロシアのプーチン”のままでしょう。いずれはメドベージェフ大統領の政治路線に我慢ならなくなったプーチン首相が大統領へ返り咲き・・・そんなシナリオが見え隠れします。

 経済が絶好調の現状では特に問題が表面化しないかもしれませんが、大国ロシアのあり方次第ではどうにでも転んでしまう危険性を予感させます。
posted by やくも at 22:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際・外交

2008年05月05日

米国がアフガンへの追加派兵を検討、指揮権引き継ぎも考慮

米国がアフガンへの追加派兵を検討、指揮権引き継ぎも考慮
米軍事作戦で2001年末、政権を追われたイスラム強硬派タリバーンの攻撃が依然続くアフガニスタン情勢で、米国防総省が来年、最大7千人の米兵を同国に追加派遣することを検討していることが3日明らかになった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が米政府高官の情報として報じた。
ただ、アフガンの米軍増強の最終決定は、来年1月に誕生する米新政権の判断に委ねる可能性もあるとしている。
米政府はこれまで、アフガンで治安改善任務に当たる国際治安支援部隊(ISAF)を主導する北大西洋条約機構(NATO)に追加派兵を要請してきたが、積極的な対応は得られていない。米兵の増強は、タリバーン掃討での兵力補強を補完する意味合いがある。
米政府は、対テロ戦争でアフガンを成功例として提示、ブッシュ政権も業績の一つとして誇示している。自爆テロなど新たな手口を見せ始めるタリバーンの攻撃多発を受け、軍事的なてこ入れがアフガン安定化に改めて必要との見方を強めているとみられる。アフガンでは最近、カルザイ大統領の暗殺未遂事件もあった。
ゲーツ米国防長官は2日、アフガン情勢に触れ、タリバーンの攻勢が活発化している同国南部戦線の指揮権をNATOから引き継ぐことを検討しているとの考えも示していた。
南部戦線には、英国、カナダ、オランダ、オーストラリアが従軍しているが、他のアフガン地域に展開するNATOの他加盟国の軍転戦を求めているがほとんど実現していない。この中で約2500人を送るカナダは南部戦線での他国による兵力増強がなければ撤退するとも警告、フランスが数百人規模の支援を申し出て態度を軟化している。
米兵7千人の追加派遣が実現すれば、アフガン駐留米軍の規模は4万人に膨れる。01年の軍事作戦開始後、最大規模ともなる。同紙によると、アフガンの兵力増強は、イラク駐留米軍の減少につながる可能性もある。
ISAFの規模は現在、兵士4万7千人。この指揮下には米兵1万6千人が入り、残りの部隊は米中央軍の指揮で別任務に就いている。


 タリバーンの勢力が以前よりも大きくなってきているというのは報道されている通りで、イラクで治安部隊の増派によってイラクでの治安が安定に向かっていることを考えますと、当然アフガンの治安部隊増派は検討に上ってしかるべきことだと思います。米軍やNATOはアフガンの侵略者ではないのですから、どのタイミングで指揮権移譲を行うべきか、そうした終わりの戦略も重要な要素です。

 日本は周知の通りISAFには参加していません。憲法の問題や自衛隊の海外派兵の装備など様々な問題点がありますが、アフガンに限らず今後の日本の選択肢を考慮すれば「資金援助」「人的貢献」だけでなく「多国籍軍としての参加」はアフガン、イラク時よりも強烈に要求されるときが来るでしょう。そのときに日本には何が出来て、何が出来ないのか、そうした国家戦略の整理が行われてしかるべきですが、現状の”真空国会”では高望みでありましょう。

 今回の米軍増派について、日本が重い腰を上げることが出来たらどのような役割を演じることが出来たのか、今では知る由もありませんね。
posted by やくも at 17:43 | Comment(0) | TrackBack(2) | 国際・外交

2008年04月27日

聖火、ソウルに到着 長野の逮捕は6人に

聖火、ソウルに到着 長野の逮捕は6人に
 26日に長野市で行われた北京五輪の聖火リレーで市実行委員会は、沿道などの観客数は延べ8万5600人と発表した。長野県警はゴール近くなどでも3人を逮捕。リレー中の逮捕者は計6人となった。
 調べによると、同日正午ごろ、走者にトマトを投げたとして愛知県の自営業の男(63)を暴行容疑で、走者に向かって飛び出したとして東京都の会社員の男(38)を威力業務妨害容疑で、それぞれ現行犯逮捕した。また、沿道から火のついていない発煙筒と抗議ビラを投げ込んだ神奈川県の会社員の男(33)を暴行と道交法違反の容疑で逮捕した。6人はいずれも容疑を認めている。道路に飛び出した神奈川県の会社員の男(30)は「チベット問題の解決を訴えたかった」、台湾人の建設作業員の男(42)は「沿道に中国人がたくさんいたので興奮した」と話している。また、県警は観客同士の暴行、傷害事件計2件を調べている。
 実行委の篠原邦彦・事務局長は「中国やチベットの旗を掲げた人が多かった。家族連れなどにも拍手で応援してもらいたかった」と語った。
 聖火は同日午後10時半すぎ、チャーター機で羽田空港をたち、27日未明、次のリレー開催地ソウルに着いた。その後は平壌、ベトナムのホーチミン市などを回る予定だ。
 ■駐日大使「リレーは成功」
 聖火リレーの歓迎レセプションが26日夜、東京都港区の中国大使館であった。福田貴代子・首相夫人や公明党の太田代表、共産党の志位委員長、インドの大使らが出席。崔天凱(ツォイ・ティエンカイ)駐日中国大使は「聖火リレーが成功裏に開催された。この追い風に乗って、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席の公式訪問を、さらに五輪を成功させましょう」と話した。
 あいさつした河野衆院議長は「40年の五輪は日本の行動によって中止せざるを得なかった。64年の東京(五輪)は、日中関係が正常化していなく、中国は選手を派遣しなかった。三度目の正直。日本は中国とともに、この舞台で、感激を味わいたい。そのためにも中国が国内問題を正しく処理し、国際社会で平和と繁栄、福祉、人権について、誰からも評価されるようにあってほしい」と話した。


 CNNの報道では長野で行われた聖火リレーは一部で多少の小競り合いがあったものの問題無く行われたとありましたが、それはあまり本質的な問題ではないような気がしますね。

 在日中国人などがゴール手前などで真っ赤が国旗を掲げて、声援を送るその姿は日本からの声援はかき消された異様な光景とも言えます。「うーん、ここはどこの国だったかな・・・」というのが第一印象と言えますし、そうした立ち入り制限をかけた警察側の対応(まあ、気持ちはわからんでもないですが)にも疑問が投げかけられることになります。

 中国はこのままで良いと思っているのでしょうか?二年後には上海万博を控えた状態で”愛国無罪”だけで世界に通用すると考えているのは正直中国国民だけだと思いますが、共産党上層部はどのような対策を考えているのか、このままでは北京オリンピックが失敗するのは明白です。独立志向を持っているわけでもないダライ・ラマ氏に対する対話すらもようやく動き出すという体たらく(決裂は変わらないでしょうが)ではこの先の解決も望むべくもありません。

 朝日新聞記事中にある紅の傭兵議長の”三度目の正直”発言の意味は相変わらず意味不明ですが、中国という巨大すぎる国家の暴発を隣国である日本が恐れるあまりの発言とも言えますが、紅の傭兵氏が今まで先送りとしてきた中国対応問題がこうして大きな問題となって日本に降り注いでいるという認識を持っているのか疑問です。
posted by やくも at 19:46 | Comment(0) | TrackBack(1) | 国際・外交

2008年02月11日

「新軍拡競争が始まっている」…プーチン大統領

<ロシア>「新軍拡競争が始まっている」…プーチン大統領
【モスクワ杉尾直哉】ロシアのプーチン大統領は8日、クレムリンで演説し、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大や、米国が東欧諸国に配備を計画するミサイル防衛(MD)システムを改めて批判し、「世界で新しい軍拡競争が始まっている」と警告した。
 「新軍拡競争」について、大統領は「我々のせいではない」と述べ、西側諸国が一方的に対露の軍事力増強を図っているとの認識を示した。その上で「こうした新たな挑戦に対し、ロシアはいつでも対応策を示すことができる」と述べ、ハイテク兵器などで対抗する考えを示した。
 演説は「2020年までのロシア発展戦略」と題され、3月2日の大統領選挙前の最後の主要な大統領演説となった。
 大統領から後継指名され、当選が確実視されているメドベージェフ第1副首相は「リベラル派」と目されているが、プーチン大統領は、5月の退任後も対欧米強硬路線を次期政権に継承させる考えとみられる。
 また、大統領は過去8年間の任期中にチェチェン情勢を安定化させ、高い経済成長を実現した実績を誇示した。一方で、政府機関や官僚にはびこる腐敗を批判した。


 まあ、ロシアが近年エネルギーなどでがっぽり経済が好調であるわけでして、こうした発言もそうしたロシア経済の好調さが背景にある訳です。いやはや資源の無い我が国からすれば羨ましい限りです。

 どうしてロシアがこれほどまでに西側諸国のMD配備を嫌がるのかというのは、当然ロシアの孤立化を恐れているからです。ロシアとアメリカは核保有国ですから、お互いが核ミサイルによる攻撃を行えばお互いが大きなダメージを受けることになります。こうした事態を防ぐための抑止論、つまり相互確証破壊が成り立たなくなることを最も恐れているのでしょう。

 プーチン大統領の言う新軍拡競争とは正にそれを指しているわけで、MDを配備しても無効なハイテク兵器で対抗するとの見解を示しています。今はアメリカが経済で躓いている段階なので、ロシアからすればチャンス到来なのでしょうね。

posted by やくも at 20:56 | Comment(0) | TrackBack(1) | 国際・外交

2008年01月04日

米大統領選、予備選が3日スタート・まずアイオワ

米大統領選、予備選が3日スタート・まずアイオワ
 【デモイン(米アイオワ州)=加藤秀央】2008年米大統領選は共和、民主両党の候補者を選ぶ予備選が3日、アイオワ州で開幕する。11月4日の本選に向け、4年に1度の大統領選がいよいよ始まる。イラク戦争で国内外から批判を浴びたブッシュ大統領の後任を選ぶ米国の選択は、世界情勢に大きな影響を与えることになる。
 アイオワ州では3日夜、両党の党員がそれぞれ党員集会を開いて党候補を選ぶ。大勢判明は日本時間4日昼ごろの見通し。


 民主党候補として最有力と言われ続けていたヒラリー氏はオバマ氏に後れを取っているようで、日本のマスコミが報じていた内容とは温度差があるのか、情勢とはこうも変化し続けるのか。

 アメリカの今後の政策として注目を浴びるのはサブプライム問題などによるドル失墜への対策や、イラク統治問題、イランなどの核問題、パレスチナ問題など山積みです。現在のブッシュ政権は実績残しのために様々なアプローチが為されるでしょうが、本質的な問題は次期大統領に引き継がれると考えるのが妥当でしょう。

 そうした中で米民主党内での候補者争いで用いられているイラク問題への言及が、管理人やくもとしては個人的に懸念を持っています。それは米中関係重視路線もさることながら、イラク派兵問題になります。こちらはヒラリー氏に対してオバマ氏は当初イラク戦争を支持していたことを材料にヒラリー氏批判を繰り返しています。これは民主党内におけるイラク問題の極端な左傾化政策を争う引き金になるのではないでしょうか。

 現在のイラクは確かに治安は当初よりも良くなったとは思いますし、さすがにイラクによる治安維持の移譲を行うことを考慮に入れる必要があるでしょう。しかし、だからといってそれが米軍即時撤退に繋がるものではありませんし、そこまで治安が良くなったとも思えません。民主党が有利とされる米大統領選において、ヒラリー氏とオバマ氏による極端なる米軍即時撤退論が力をつければ、民主党は「米軍が去った後のイラク情勢と世界の動き」よりも「自国都合による撤退」を優先させることを世界に発信することになりましょう。

 超大国としてのアメリカはなおも健在です。そのアメリカが米軍撤退後の情勢を無視しての撤退はありえません。そうした偏重政策を争い、その結果が米大統領として実行されることになれば、中東の混迷はなおも続くことになるのではないでしょうか。
posted by やくも at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(1) | 国際・外交

2007年12月29日

パキスタンのブット元首相暗殺を受けて予想される影響

パキスタンのブット元首相暗殺を受けて予想される影響
 [イスラマバード 28日 ロイター] パキスタンのブット元首相が27日暗殺された。同氏の暗殺を受けて予想される影響は以下の通り。
 <2008年1月8日の総選挙への影響>
 野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派「PML(N)」を率いるシャリフ元首相がボイコットの意向を示すなど、総選挙が予定通り行われる見通しははっきりしない。ブット氏暗殺前には、選挙はブット氏、シャリフ氏、ムシャラフ大統領を支持する3党の争いになるとみられていた。ムシャラフ大統領は、ブット氏暗殺を受けて行った演説で、選挙については言及しなかった。
 <ムシャラフ大統領への影響>
 ブット氏の死は、人気低下に悩むムシャラフ大統領に一段の圧力を加える見通し。国民の間では、政府の関与を疑う見方や、十分な警備体制を敷かなかったとして政府を非難する声が出る可能性もある。
 <ブット氏が総裁を務めていたパキスタン人民党(PPP)への影響>
 ブット氏以外に実力者を欠くPPPは、複数の派閥に分裂する可能性がある。
 <米国主導の対テロ戦争への影響>
 ブット氏は米国の強い支持者で、選挙戦では過激派と闘う必要性を強く主張していた。米国は、ムシャラフ大統領とブット元首相が権力を分担し、過激派に対する確固とした防壁を築くことを期待していた。


 パキスタンという国は核保有国なんです。核保有国の政情不安定は過激派に利することになります。パキスタンは北朝鮮などへの核拡散の前科があるからこそ、アメリカが軍事政権に支援し、その安定を希望しています。もし、このムシャラフ政権が打倒され、過激派が政権を取ることになれば、核技術や核そのものの取り扱いが危ぶまれるのです。世界が恐れるのは、これなのです。

 1/8に実施予定とされる総選挙は行えないと思います。しばらくムシャラフ政権は治安維持に追われることになると考えられます。そうなれば治安維持の仕方によっては、政権にブット元首相暗殺の不信を抱く国民の動静が気になります(もちろんブット元首相の暗殺の謎はわかりません)。

 アメリカにとっては中東の安定、例えば9.11におけるタリバン政権打倒のためにパキスタンをアメリカ陣営に引き込んだことは記憶に新しいところで、現在のパキスタンはテロ戦争においてアメリカにすれば絶対必要なパートナーです。その政情不安定はアフガニスタンにも波及する恐れがあります。

 ムシャラフ大統領と支援を続けてきたアメリカと隣国であるインドの動きに注目です。
posted by やくも at 20:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際・外交

2007年12月10日

日中経済対話、中国が共同文書を部分削除…日本政府は抗議

日中経済対話、中国が共同文書を部分削除…日本政府は抗議
 北京で1日に開かれた「日中ハイレベル経済対話」で日中両国が合意した共同文書について、中国政府が正確な内容を発表していないため、日本政府が中国側に抗議していたことが、明らかになった。
 中国商務省が3日にホームページに掲載した共同文書では、日本側が〈1〉人民元の為替レート切り上げに期待感を表明した部分〈2〉エネルギー分野の投資自由化などを規定した「エネルギー憲章条約」への中国の参加を促した部分――などが削除されていた。
 同経済対話では、人民元の為替レートについて双方の主張が折り合わず、共同文書は「日本側は、人民元の実効為替レートのより速いペースでの増価を許容することに向けた中国の努力を期待する旨表明した」と明記することで決着した経緯がある。
 政府は7日に在北京日本大使館を通じて中国政府に抗議したが、中国側は「当該部局の要請により削除した」と回答したという。町村官房長官は10日午前の記者会見で「国際的な慣行からすると考えられないことであり、理解しがたい。想定外で大変驚いている」と述べ、発表内容の速やかな訂正を中国側に促した。


 とりあえず読売新聞からの記事から推測するに、削除されたといわれる箇所は外務省のHPに掲載されている全文を見ますと、以下の太字箇所と思われます。


第一回日中ハイレベル経済対話
II. 双方のマクロ経済にかかわる問題
 双方は、日中経済の相互依存関係が深化し続け、互いになくてはならない存在となっている現状を認識し、以下のとおり、双方のマクロ経済政策に係る議論を行った。

1.双方は、両国経済が世界経済に及ぼす影響の大きさにかんがみ、世界経済に対して、責任ある経済政策運営を行うことを確認した。

2.中国側は、過剰流動性によってもたらされた日本のバブル経済等の経験及び教訓が参考に値すると認識した。日本側は、人民元レートの柔軟性を向上させるとの中国側の方針を歓迎する一方で、人民元の実効為替レートのより速いペースでの増価を許容することに向けた中国の努力を期待する旨表明した。

3.中国側は、国内消費・投資・輸出の三者のバランスのとれた発展を促進する必要があることを強調し、そのための関連措置を紹介した。中国側は、この分野における日本の経験が有益であると認識した。双方は引き続き交流を強化していくべきとの点で一致した。

〜略〜

(その他)
12.双方は、第三国援助にかかる日中対話実施の意義を確認し、今後とも対話を継続していくことで一致した。

13.双方は、農業協同組合、農業技術普及等の農業分野における協力を評価するとともに、その更なる推進に一致した。

14.日本側は、中国がエネルギー憲章条約に参加することの意義を指摘した。

15.双方は、「日中経済貿易協力に係る中長期ビジョン」を公表した。

16.双方は、「物流・流通報告書」の共同編纂を継続することで一致した。


 なんとも不思議な話です。削除したってすぐにわかるようなことをどうして行うのでしょうか?中国が行っているような狡猾な外交からはあまり想像が付かないやり方で、なんらかの裏の意図があると深読みすべきなのか、それとも内部の声を抑えることが出来なかったのか、はっきり言って判断に苦しみます。

 個人的には後者ではないかと疑っています。内容から察するに人民元やエネルギーなどから考慮するといずれも今後の中国の中長期戦略を担うと考えられるソフトパワーの分野に値します。そういう意味では今後の禍根を取り除きたいという内部からの掛け声を抑えきれず文章を削除、国際的なる指摘を持ってなんとか内部の声を押さえつけるといった喜劇が想像されます。

 それ以外の内容を確認しても、領土問題などには当然触れられていないため、わざわざ明記したくない文章があるように見えません(あえて挙げればアフリカ開発は文言によって中国に都合の良くないものになっていた可能性はあるかもしれませんが)。

 本件は中国の尊大なる態度に憤慨するというよりも、内部の力を抑えることが出来ずに、その手段を外部に求めてしまう脆さ(安易に外部へ圧力を求めること自体が尊大という側面もあるのかもしれませんが)が露見したと見るのが正確なのではないかと思います。
posted by やくも at 21:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際・外交

2007年12月02日

テロ支援国指定解除、米が北朝鮮に追加3条件

テロ支援国指定解除、米が北朝鮮に追加3条件
 【ワシントン=坂元隆】米政府は、北朝鮮のテロ支援国指定を解除する条件の一部として、寧辺(ヨンビョン)の核施設の無能力化完了に加え、核計画の申告時に「核爆弾の材料となるプルトニウムの抽出量」「ウラン濃縮計画の実態」「シリアなど外国への核移転の状況」――の3点の明示を北朝鮮に求める方針を固めた。
 6か国協議関係筋が30日、明らかにした。北朝鮮が米国の要求を全面的に受け入れる可能性は低く、テロ支援国指定の解除時期が大幅にずれ込むのは確実となった。
 米朝間では、北朝鮮が年内に核施設無能力化と核計画の申告を実施する見返りに、米国がテロ支援国指定解除と敵国通商法適用除外を実施することで合意済みとみられていた。今回、米国が申告にさらなる条件を設定することになった背景は不明だが、解除しないよう求める日本政府の強い要請にも配慮したとみられる。


 やはりアメリカはテロ支援国家指定解除を簡単に行う気は無いようです。

 北朝鮮の核放棄プロセスが思うように進まないこともありましょうが、最大の焦点はシリアの核開発問題なのではないかと思います。今年9月に行われたイスラエル空軍のシリア軍事施設の空爆によって北朝鮮の核開発技術者の死亡及びイスラエル特殊部隊がシリア軍事施設から北朝鮮製の核物質を奪取したなどの不確定情報などがあります。

 こうした状況下の中でシリアへの疑惑が払拭されない中での北朝鮮のテロ支援国家指定解除が行われるとは到底思えません。そして上記解除への追加条件は到底北朝鮮からしますと呑めるものではありません。今後また北朝鮮問題でひと悶着があるのではないかと考えます。
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2007年11月20日

「反米同盟」のチャベス大統領、核エネルギー開発を表明

「反米同盟」のチャベス大統領、核エネルギー開発を表明
 【リオデジャネイロ=小寺以作】ベネズエラのチャベス大統領は、同国が平和利用のため、核エネルギーの開発を進める方針を明らかにした。
 15日、フランスのテレビ局のインタビューに答えた。チャベス大統領は、核燃料の軍事転用が懸念されているイランのアフマディネジャド大統領と「反米同盟」を結束しており、米国内では早くも、ベネズエラ核開発を警戒する声が上がっている。
 チャベス大統領は、インタビューでイランの核開発問題について尋ねられ、「目的はあくまで平和利用で、核兵器を作っている訳ではない」とイランを擁護。さらに、全世界的なエネルギー不足解消のため、原子力エネルギーが必要との認識を示した後、「我が国も(原発保有国の)アルゼンチンやブラジル同様、開発を始める」と述べた。具体的な計画については触れなかった。
 これに対し、米国のコニー・マック、ロン・クレイン両下院議員は16日、声明を発表し、イランが、ベネズエラの核開発に協力する可能性に触れたうえで「両国の核開発は、米国と同盟国に対する大きな脅威となる」と警告した。


 ベネズエラのチャベス大統領と言えば、最近とっても勇ましい発言でニュースを賑わしていますが、こんな隠し玉を使ってくるとは思わなかったですね。

 ベネズエラは説明不要のキューバのすぐ南に位置する南米国家なわけですが、アメリカからすればこの国が核開発なんてことになればとんでもないことで懸念表明はまあ当然のことだと思います。

 ブッシュ大統領はもしかしたらチャベス政権を潰すことをあまりためらわないかもしれませんね。イラン、北朝鮮へのみせしめという意味を含めて。イランは内部の対米協調派がだんだんと勢力を盛り返し始めていること、北朝鮮はある程度の交渉の余地があることなどから、チャベス大統領の出方によってはどうなるかわかりません。

 はてさて、核エネルギーとは一体どういうものなのか、ベネズエラの出方に注目です。
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2007年11月17日

米大統領、給油新法早期成立に期待・拉致の重要性に理解

米大統領、給油新法早期成立に期待・拉致の重要性に理解
 【ワシントン=伊藤浩昭】福田康夫首相とブッシュ米大統領は16日(日本時間17日未明)、ホワイトハウスで首脳会談と昼食会を終えた。北朝鮮に核兵器を完全に廃棄させるため、日米が緊密に連携することで一致。北朝鮮へのテロ支援国家指定解除問題では、首相が日米連携を訴えたのに対し、大統領は「拉致問題を忘れることはない」と、拉致問題の重要性に理解を示した。
 対テロ戦争での協力に関しては、首相がインド洋での海上自衛隊の給油活動について「早期再開に向けて給油新法案の成立に全力を尽くす」と伝えた。大統領は「日本の活動再開に向けた努力に感謝している」と早期成立への期待を表明した。
 会談は昼食会を含めて約1時間45分に及んだ。北朝鮮政策を巡っては、首相が「核、ミサイル問題と並んで拉致問題解決の重要性、テロ支援国家指定解除の問題も含めた日米連携の重要性」を指摘した。

 福田首相は戻ったらテロ新法の審議ですから、かなり多忙なスケジュールです。

 アメリカのトップが拉致問題について明言している以上、少なくともブッシュ政権において拉致問題がおざなりになることはないでしょう。にも関わらず、アメリカは日本の拉致問題をないがしろにして、テロ支援国家指定解除を行おうとしているとの声が根強いのはなぜでしょうか。例えば国務次官補以下の人間でテロ支援国家指定解除の話が出ているようですが、大統領の明言のほうが通常優先されます。

 これは北朝鮮の意向が強く反映されすぎているのではないかと思います。北朝鮮は核と中国、ロシアとの地政学的位置づけから「東アジアのパキスタン」のような形態を目指しているのではないでしょうか。この形であれば対中国との懸案あれど、金正日体制を維持したまま、ある程度の安全保障を手に入れることが出来ます。そのために日本を仲介役としてアメリカとの交渉を考えたのだと推測されます。

 しかし拉致問題の重要性を独裁国家が理解できるはずもなく、日本国民の対北朝鮮感情は悪化し、日本仲介役の策は失敗に終わります。ともなれば北朝鮮が日本を相手にしなくなるのは当然のことです。

 我が国は本問題は当事者なのですから、アンカー役で良いんです。日本は自分から今の立場を崩す必要はありません。そのためにアメリカや中国に働きかければよいのです。どうも核問題のちょっとした進展に右往左往する人間がいるようなのですが、核問題は核が破棄されたことを確認することが大事なのですから、既に使われていない施設を止めようという話など結局核廃絶に関連があまりないと考えています。
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2007年11月05日

パキスタン大統領が非常事態宣言、最高裁長官を解任

パキスタン大統領が非常事態宣言、最高裁長官を解任
 [イスラマバード 4日 ロイター] パキスタンのムシャラフ大統領は3日、全土に非常事態を宣言、憲法の効力を停止した。大統領は国民向けに演説し、政治の停滞を招いた司法の干渉や過激派の攻撃による治安の悪化に対応するための措置であると説明、速やかな行動がとられなければ国家の統合が保てなくなるとして理解を求めた。
〜略〜


 航空自衛隊の撤収を待っていたかのような非常事態宣言であります。ムシャラフ大統領の陸軍参謀長兼任は問題であるという司法判断が出る観測が高まったためとの見方が強まっています。

 このような憲法停止という状況下で、最近起こっている過激派の暴動を押さえに掛かることが可能になりました。これはある意味アメリカに利することになるのかもしれませんが、アフガンやインドへの影響がどこまで及んでしまうのかが懸念材料になるのかもしれません。

 こうしてムシャラフ大統領の大きな賭けが始まったわけですが、彼が政権の座を失うことになれば、大きな衝撃が走ることになるでしょう。核保有国であの野党が政権を取る事は望まれるものではありません。
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2007年10月16日

中国共産党大会が開幕、持続的成長に軸足

中国共産党大会が開幕、持続的成長に軸足
 【北京=阿部将樹】中国共産党の第17回党大会が15日、北京の人民大会堂で開幕した。胡錦濤総書記(国家主席)は今後5年の党・国家運営の基本となる活動報告で、貧困や環境の問題に配慮しながら持続的な経済成長を目指す「科学的発展観」に基づき政策を運営していく方針を強調した。経済成長を優先した結果、深刻になった環境汚染や格差拡大などのひずみを解消し、調和のとれた社会の実現を目指す。一方で「1人当たり国内総生産(GDP)を2000年の4倍に増やす」との目標も掲げた。
 党大会は5年に1回。今回の会期は1週間で各機関から選ばれた代表2217人が参加している。最終日の21日に次期5年間の中央委員約200人を選出して閉幕。その翌日に開かれる第17期中央委員会第一回全体会議(一中全会)で、2期目に入る胡錦濤指導部の政治局常務委員を選出する。胡氏ら「第四世代」の次世代にあたる「第五世代」が「ポスト胡総書記」の候補として登用される見通しだ。(11:06)


 ケ小平が打ち出した経済開放の政策は中国に大きな富をもたらしました。しかし、それは同時に大きな貧富の差、つまり地域格差をもたらしたことになります。

 格差においての指標はジニ係数と呼ばれるもので、日本は欧州などとほぼ同じくらいの0.275付近となっており、格差の大きいアメリカは0.375と大きな数字を記録しています。しかしアメリカの場合は”アメリカンドリーム”と呼ばれるだけの格差が固定化されていない、むしろかなり流動的な状態となっています。

 中国はどうでしょう。中国は一説には0.45とアメリカすら上回る数字であると言われています。これでアメリカ並みの流動性を持っていれば救いはあったのかもしれませんが、中国ほど固定化された国はありません。貧富層にいる国民全体の九割にも上るとされる人間は都市部の裕福層になることは絶望的と言われています。

 現在の中国の前途は厳しいものがありますが、こうした地域格差と呼ばれる社会の固定化の結果をどう受け止め、どう改革していくのかという点が注目されます。中国の民主化を考えればこのような問題の対応は当然です。そして今までの開放政策の甘い汁を吸い続けてきた地方の官僚などの不正などをどこまで罰することが出来るのか。江沢民派の政治的影響力を抑えている現状、こうした難問に胡錦濤政権は対応していかなければなりません。
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2007年10月15日

「イスラエルのシリア空爆、原子炉が標的」と米紙

「イスラエルのシリア空爆、原子炉が標的」と米紙
ニューヨーク──13日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米国および海外の消息筋の発言として、イスラエル軍が先月6日に行ったシリア空爆の標的が、建設途中の原子炉であったと伝えた。
ブッシュ米政権が空爆前にイスラエル政府と激しく議論した際には、シリア空爆が時期尚早かをめぐって意見が分かれたという。
シリアのアサド大統領は、イスラエル軍の空爆が「使用されていない軍施設」だと説明していた。イスラエル当局は空爆の報道を制限し、先日ようやく国内の報道を解禁した。
複数の米当局者によると、シリアの原子炉は北朝鮮で稼動しているものを模したもので、今年撮影された衛星写真で存在が確認されていた。北朝鮮が建設を支援しているかは不明だが、北朝鮮は関与を否定している。また、シリアの原子炉は、使用済み核燃料から核兵器が製造可能な水準のプルトニウムを生産する段階まで、まだ遠く及ばないとされる。
ニューヨーク・タイムズは米当局者の発言として、核開発の意思をイランに伝えるのが空爆の目的だった可能性がある、と伝えた。米ホワイトハウスとイスラエル当局は、報道内容についてコメントを避けている。
イスラエルは1981年、イラクの旧フセイン政権が建設中だった原子炉を空爆したことがある。


 え?原子炉?これ本当ならすごい問題では・・・。

 イスラエル軍のシリア軍事施設の空爆やそれに伴う北朝鮮のシリアへの核物質や技術者の関与疑惑などはまだまだ情報が錯綜するのでしょうね。イスラエル空軍がシリアの軍事施設を爆撃したことは認めていますし、シリアも空爆を受けたことを認めていますが、こうした核という動きについてはなかなか見えてこないという状況になるのでしょう。

 北朝鮮の動きも注視しなければなりませんが去年の核実験を行ったと思われる付近の地域の警備強化が行われたようです。今回のシリアの件と関連性があるのか不明ですが、東アジアと中東の核問題というものは今でも混迷を極めそうだということは確実に言えると思います。
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2007年10月01日

ミャンマー軍政が“制圧”宣言、国連特使が到着

ミャンマー軍政が“制圧”宣言、国連特使が到着
 【バンコク=太田誠】ミャンマー軍事政権は29日付の国営各紙を通じ、僧侶主導の反政府デモへの対応で、「平和と安定を回復した」と“制圧”を宣言した。
 一方、国連事務総長特別顧問イブラヒム・ガンバリ氏は同日、ミャンマー入りした。30日にタン・シュエ国家平和発展評議会議長ら軍政指導者らと会談する予定で、武力弾圧の即時停止と民主化勢力との対話を働きかけるが、強権発動による事態収拾に自信を深める軍政側から譲歩を引き出すのは困難とみられる。
〜略〜


 日本人までも犠牲になった今回の事件というのは一体なんなんでしょうか。

 事件の発端というのは最近の石油価格高騰におけるガソリンなどの値上げがきっかけのようで、これに対する僧侶のデモへ軍の発砲があり、それが大規模なデモへと発展したというのが一般的な見方のようです。

 ミャンマーというとすぐに思い浮かぶのが中国及び北朝鮮との関係なわけです。特に中国はミャンマー対してインド以上に経済援助や武器供与を行っているようでして、こうした一連の事件に対して中国が関わりと責任が求められているダルフール紛争と同じ構図になってきます。また北朝鮮は今年4月からラングーン事件解決を前提とする国交正常化に向けて協議を行う話まで出ている状況です。

 このミャンマー軍政に対する「非難」が中国とロシアによって反対され削除されています。彼らからすれば同様のリスクを抱えているわけで動けないのが実態なのかもしれません。アメリカなどの民主主義国は経済制裁を強める意向で、日本もなんらかの強いメッセージを投げかけることが重要なのだと思います。
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2007年09月25日

ライス米国務長官、北朝鮮とシリアの核協力に懸念表明

ライス米国務長官、北朝鮮とシリアの核協力に懸念表明
 【ニューヨーク=五十嵐文】ライス米国務長官は23日、北朝鮮がシリアの核開発に協力しているとの疑惑に関連し、「すでに危険になっている地域での、危険な活動を非常に懸念しているのは確かだ」と述べ、強い懸念を表明した。
 国連本部で行われた中東和平に関する米露と欧州連合、国連による4者協議後の記者会見で語った。ただ、「特定の問題については、コメントしない」と述べ、北朝鮮とシリアの核協力に関する事実関係への言及は避けた。
 また、ライス長官は23日、中国の楊(よう)外相と会談し、27日から北京で始まる北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議について意見交換した。会談後の記者会見で長官は、北朝鮮の核計画について「まだ多くの疑問が残っている」と指摘し、ウラン濃縮や核拡散問題を含め、全容解明が必要だと強調した。
〜略〜


 北朝鮮の核問題というものがイランと密接に関連するという観点を持っていれば、この問題というのは見逃せない要因の1つになるのではないかと思います。

 この問題というのは今月上旬にイスラエルがシリアの領空を侵犯したとされる問題で、その中でイスラエル空軍がシリア軍事施設を空爆、特殊部隊が軍事施設から北朝鮮製の核物質を奪取したなどの情報が流れています。イスラエルからすればシリアが核を保持することはどえらい問題ですから神経質になるのも当然であります。

 ここでシリアが北朝鮮製核物質を保持していた可能性が囁かれ始めています。シリアとイランは元々友好国で経済・軍事で協力し合う約束を取り付けています。また、両国とも北朝鮮から弾道ミサイルなどの兵器の買い手国になっています。シリアが北朝鮮製核物質をもっていたことが事実ともなれば、地理的に言ってもとんでもない国が核に乗り出したものです。

 こうした状況下の中でのライス発言です。六カ国協議という枠組みの中で北朝鮮が次回会合でテロ支援国家指定解除を要求するのは明らかである中でのこの問題は再び北朝鮮核問題の進展が頓挫する可能性まで帯びてきたわけです。情報がキチンと纏まらないとなんともいえない話ですが、情報戦展開の真っ只中では続報を待つしかないように思えます。
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2007年08月21日

中国、太平洋の東西分割提案か 米軍は拒否

中国、太平洋の東西分割提案か 米軍は拒否
 17日付の米紙ワシントン・タイムズは、キーティング米太平洋軍司令官が最近訪中して中国軍事当局者と会談した際、中国側が、太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案したと報じた。米側は拒否したという。提案の詳細には触れていない。
 米太平洋空軍のへスター司令官は「空間を誰にも譲らないのが、われわれの方針だ」と記者団に述べ、西太平洋地域を米軍の影響下に置く必要性を強調した。
 米政府内の親中派の間では提案に前向きな受け止めもあったが、国防当局は西太平洋の覇権を中国に譲り渡す「大きな過ち」だと主張。日本などアジアの同盟国との関係を台無しにしかねないとして断ったという。(共同)


 釣りにしか見えませんが・・・。

 「米政府内の親中派の間では提案に前向きな受け止めもあったが」ってのはなかなか面白いですね。まあ、数百名の中の一人でも肯定的な人がいればこういう書き方にもなるでしょう。

 個人的にポイントと感じているのは中国軍事当局者と名乗る人物がこのように語っているところです。恐らく中国人民解放軍の幹部レベルと思われます。彼らは基本的に中国政府への牽制という意味で国内向け強硬論を唱えることが多いです。直接米軍司令官と対話を行った際に、胡錦涛国家主席のフィルタリング無しによる発言を直接伝えたと推測できます。だって普通に考えて無茶苦茶ですよ、こんな構想。

 上記推測が正しければ、問題となるのは胡錦涛国家主席の指導力となると思います。どこまで軍部の強硬論を押さえて政治を行っていくか、ってところが胡錦涛主席の大変なところではないでしょうか。
posted by やくも at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際・外交

2007年08月13日

民主党・前原氏、TV番組で「テロ特措法の延長必要」発言

民主党・前原氏、TV番組で「テロ特措法の延長必要」発言
 民主党の前原誠司・前代表は12日、テレビ朝日の番組で、インド洋で海上自衛隊が行っている給油活動の根拠である、テロ対策特別措置法について「アフガニスタンでのテロとの戦いから、日本が抜けることは国益に反する」と述べ、11月1日に期限が切れる同法を延長する必要性を改めて強調した。
 前原氏は、「アフガニスタン国内の治安維持活動のために自衛隊が入っていくのは、今の武器使用基準、憲法制約からすると非常に危険だ。洋上給油は、現段階ではベストだ」とも指摘した。

 ご尤もと言える正論でありますが、これは民主党の内部が混沌としているのか、延長賛成に転じたときの言い訳か、素直に前原前代表の拍手に喝采を送るべきか・・・ここは素直になっておきますか。

 テロ対策特別措置法は国連安保理決議1368など複数の決議に基づいた期間限定法で、自衛隊というのはこの枠組みの範囲内のことを行い、範囲外のことは行えません。安保理決議というのは結局のところその国々で解釈し、判断した対応を行うだけです。そうした範囲内で海上自衛隊によるインド洋の給油活動が行われており、これは米軍だけでなくパキスタン、イタリア、イギリスなど数多くの国への支援を行っている訳です。このゴッドハンドとも呼ばれる給油活動の実績がマスコミを通じて報道されることがあまりありませんね。こうしたアフガンへの支援参加国は75ヶ国にも上っています。

 また民主党が主張し始めている国連決議が認めたISAFへの自衛隊参加についても自民党は前原氏と同じ理由で否定的です。出来ないことを無理して行い、殉職者を出すほうが遥かに問題であります。

 あと、付け加えておくとテロ特別措置法はイラク戦争とは何の関係もありません。驚くことに混同している人が結構いるようですので。。Yahooのアンケートコメントを見てビックリ仰天でしたよ。大量破壊兵器は無かったじゃないか!っていちゃもんもいいところです。

 民主党小沢代表が言っているような「アメリカにNOを言う」ことは必要なことではあると思いますが、NOを言うことが目的化しているような気がします。それではただのアホです。国際的コンセンサスとも言えるテロとの戦いについて、日本はどのような戦略を持つべきなのか、そのような原点を省みなければ主体性のある国家とは言えないわけです。そうした方向性に合致し国益となるならばYesと言い、合致せず国益とならなければNOと言う、こうした視点が必要なのではないのかなと考えます。

 さて、このテロ対策特別措置法の着地点はどうなるんでしょうね。この前小池防衛相が小沢氏を批判していましたが、元自由党同士ということもあり、ある程度の妥協点の目処がついているようにも見えます。日本の国益を考えればテロ対策特別措置法延長は当然です。このような重要法案が政局の具に利用されないことを切実に願うだけです。
posted by やくも at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(1) | 国際・外交

2007年08月10日

7年ぶり南北首脳会談、28日から平壌で

7年ぶり南北首脳会談、28日から平壌で
 【ソウル=中村勇一郎】韓国の青瓦台(大統領府)は8日午前、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記(国防委員長)による史上2度目の南北首脳会談を8月28日から30日に平壌で開くことで北朝鮮側と合意したと発表した。
〜略〜


 今年の12月に韓国大統領選挙があります。野党ハンナラ党が有利とされていて、なんとか現政権で実績を残したいという意図があるのでしょうね。もちろん素晴らしい実績を残すことが出来れば選挙対策だろうがなんだろうが一向に構わないのですが、正直見通しはあるのでしょうか。

 大きな焦点は核廃棄への次ステップ、朝鮮戦争の休戦から平和体制の構築、北朝鮮支援という感じだと思いますが、核廃棄について六カ国協議の枠内とは別の声明が作られようものなら非核化へのプロセスは後退することになります。日米最大の懸念点はそこにあります。北朝鮮がなんの努力もせずに見返りだけを求め、それを韓国が実績欲しさのために応ずるようなことになれば、アメリカにとってイラン問題にも直結してくることになります。

 首脳会談ともなれば、韓国にとって大きな外交カードを使うことになります。となりますと下のレベルの人間で、ある程度の着地点が見出されていると考えられます。そのメインは恐らく朝鮮戦争の終戦となると思います。この声明をどのような形で打ち出し、非核化プロセスへどのような影響を与えるのか、北朝鮮の思惑通りに進んでいるこの状況は決して日米にとって喜ばしい結果とはなりにくいような気がしますが、はてさて。。
posted by やくも at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際・外交

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