2007年05月20日

硫黄島からの手紙




 クリント・イーストウッド監督による日米両方の視点から硫黄島の戦いを描いた2部作のうちの”日本視点”による作品。原作は昭和歴史家半藤一利氏が硫黄島防衛の司令官となる栗林中将の手紙から発行した「硫黄島からの手紙」です。

 パールハーバーでアメリカの日本に対する描き方に失望を持った人は多いと思いますが、この作品ではこちらがビックリするほど日米が中立観点で描かれています。こういった作品はイデオロギーが注入されがちなところが特に日本ではあって、どこぞの監督が石原慎太郎製作総指揮の映画を観もせずに批判したりするのは日本ならいつものことと笑えるのですが、本作品はそのようなことはありません。

 個人的に思ったのは日本軍兵士の役を務めている二宮という人がジャニのくせして予想以上に演技がうまかったことでしょうか。60年前の時代を感じさせない言葉遣いはどうかと思いましたが、それを差し引いても評価できるのではないかと。ただ、妻が裕木奈江というのにはとても違和感があって、外見だけならえなりのほうが適役だろうと思ったのはきっと私だけだろうと思います。

 まあ、そのような細かいところはさておき、戦争映画となりますとラストというのは締めくくりにくくなるものですが、この作品では視聴した人間にこの戦いの評価を委ねるような手法を採っていると感じました。この島をくれてやれば自分はこんなことをしなくても良い、こんな風に考えていた二宮演じる兵士が硫黄島の戦いを通じて、ある種の成長と戦争の悲惨さを目の当たりにします。栗林中将の最後、「・・・ここはまだ日本か?」との言葉は兵士にどのような感情を呼び起こし、涙を誘ったのでしょうか。

 自ら考え、感じたことを形として導き出すことが求められる映画で、ただ何も考えずに観ているだけではきっと何もこの映画から得られるものは無いと思うのです。
posted by やくも at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

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